発散と収束を使い分ける

会議では、参加者が自由に発言できることがたいせつです。しかし、好き勝手に発言してしまうと会議が混乱してしまいます。そのような事態を避けるため、1つの議題に対し「発散」タイムと「収束」タイムを設けるようにしましょう。

たとえば新しい車名を1時間以内に決めるとした場合、前半の30分でつぎつぎとアイデアを出すことに集中し、後半30分で出されたアイデアからひとつの意見に集約をする、というように時間を分けてしまうのです。発散では思いついたアイデアを出すことに専念し、収束では思いついたアイデアから何らかの「基準」をもとに絞り込むのです。

発散で気をつけたいのは「質」よりも「量」が大切だということです。できるだけ参加者の意見を吐きださせることが大切です。出てきた発言に対し、批判をしたり、評価をしたりすると、参加者が発言することをためらってしまいますので、発散の前に「批判をしない」ことを参加者全員に合意してもらいましょう。しかし実際に議論してみると批判をする人がいるものです。事前に合意しておくことが重要なのです。

また発散というプロセスを経ることによって、参加者の「言いたいことが言えた」という満足感にもつながり、たとえ結論が自分自身の考えと異なるものであっても、納得感をもって実行してもらえることができます。

収束では、自由に発言するというよりも論理的な根拠をもって発言することが必要になります。そして発散で出たアイデアの絞り込みを行います。その際、準備・検討していた基準にしたがい、座標軸を使ってアイデアを分布させてみたり、一覧表を使って優劣を検討したりと、論理的に結論を出すための話し合いをする必要があります。そして最終的にゴールに向かって議論を進めていくのです。

□ルール45 発散と収束を使い分ける
□ルール46 発散時は「質」より「量」にこだわる
□ルール47 収束時は基準に則って結論を導き出す


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  • 最終更新:2017-02-06 23:33:46

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